昭和35年、先代が銀座木村屋總本店からの暖簾分けとして開店したパン屋(木村屋吉田店)にはじまります。
昭和26年、あんパンの元祖である「銀座木村屋總本店」から暖簾分けし、「青山 木村屋」がオープンしました。
その「青山 木村屋」の店長に弟子入りし、10年の修行を経てパン屋「木村屋吉田店」をオープンさせたのが、当店の先代である私の父です。
昭和35年のオープン以降、あんパンと食パンが大変人気で、連日店内がごった返していたのを思い出します。
それを見ていた私も幼心に「いつか父のようなパン職人に!」と思っていたのですが、時代の流れもあり、気が付けば父は洋菓子製造にシフトチェンジしていました。
店頭からパンは消え、すっかり洋菓子屋に様変わり。
そんな訳で、父は毎日カステラとバウムクーヘンを焼いていました。
当時はまだ珍しかったこともあり、多くのお客様がこのカステラとバウムクーヘンを求めて来店されていたのを思い出します。
その後、先代が始めた木村屋を私が継ぎ、洋菓子屋「ラ・ヴェルデュール木村屋」としてリニューアルしました。
それに合わせてカステラとバウムクーヘンも製造中止となったのですが、数十年経っても、ご年配のお客様を中心に「お父さんの焼いていたカステラとバウムクーヘンはある?」というお問い合わせは絶えませんでした。
この大人気のカステラとバウムクーヘン。
何とか再販したいという気持ちはありつつも、レシピが残っていないため実現には至りませんでした。
そして2020年、現在営業している富士河口湖への移転が決まり、昔の工場を整理していたのですが…なんと!!探していた先代のレシピが出てきました!!
レシピに沿って早速焼いてみたのですが、当時とは設備が異なることもあって、思った味には程遠い仕上がりに。失敗の連続でした。
ところが、最近オーブンを最新のものに替え、試しにカステラとバウムクーヘンを焼いてみると…
びっくりしました。美味しくて、昔の父が目の前に出てきたようでした。
手応えを感じた私は、このカステラとバウムクーヘンを再販したいという気持ちが再燃し、さらに改良を重ねました。
そしてこの度、ようやく納得がいく味が完成しました。
レシピの開発者である先代の名にちなんで、「sho / 極みシリーズ」と名付けたいと思います。
昔懐かしい先代のレシピにちょっとだけ現代風のアレンジを加えて、驚きの美味しさが生まれました。
たくさんの方に愛される商品に、山梨を代表するお土産になれるよう、まだまだ改良し、進化させていきたいと思います。
どうぞ、応援をよろしくお願いいたします。